はじめに
これは、アイドルマスター シンデレラガールズ (以下デレマス)で開催され、現在結果集計中となっているボイスアイドルオーディション(以下VA)について、有志によるツイッター集計(以下ツイ集計)をより細かく分析し、ボイスを得られるアイドルを予測したり、その他さまざまな考察を述べる記事です。
mobage版シンデレラガールズ(以下モバマス)やスターライトステージ(以下デレステ)で、第9回シンデレラガール総選挙(以下総選挙)やVAにおける投票を行ったとき、アプリとツイッターを連携させて行う定型ツイートが、手軽にできました。
【アイドルマスター シンデレラガールズ】でボイスアイドルオーディション開催中!! ○○○○に投票したよ!! #ボイスアイドルオーディション #デレマス sp.pf.mbga.jp/12008305/
こういう書式のツイートを、見たことがある人も多いでしょう。
どのアイドルに対して、何人のツイッターアカウントから、この定型ツイートが行われたのか。それを集計し、公表したものが「ツイ集計」です。*1
過去のシンデレラガール総選挙でもツイ集計は行われており、その順位と、総選挙の正式な順位とには、ある程度のつながりが認められました。今回もそうなる可能性はあります。VA結果のネタバレに類する要素がありうるわけです。
そのことも踏まえ、現時点でツイ集計を見たくない人、ツイ集計に関する話題を読みたくない人は、すぐにこの記事を読むのを中断し、戻っていただくようお願いします。ここから先、ツイ集計データのリンク先やそこから引っ張ったデータを示しています(1位から最下位まで集計されています)ので、くれぐれもご注意ください。
「なぜ現時点で分析を行うのか?あと数日で正式結果が発表されるのだから、それと併せたほうがより正しく詳細に分析できるのでは?」との疑問は、ごもっともです。それに対しては、「現時点で、正式結果の予測も兼ねた仮説を立て、後日答え合わせをすることで、自分の分析力・予想力を試そうと思ったから」みたいな、あやふやな回答となります。「やる気が出ているのは今だから」ともいいます。
なお、自分は統計学をよく知りません。高校・大学で数学を学んではいますが、統計にもとづく推定・検定などの手法はこの記事では一切用いていません。分析と銘打ってはいますが、学問的なものではなく、素人の遊びだと思ってください。
ツイ集計サイト
このブログ記事の筆者が自分の手で、ツイ集計を行ったわけではありません。
今回の分析の元になるツイ集計サイトは、こちらです。
cg-db.tkまず、ツイ集計と正式結果の違い以前に、「このツイ集計は正しいデータなのか?」という点を疑問に思う方もいるでしょう。
一般論としてですが、膨大なツイートデータをプログラムを用いて集計する過程で、ツイッターAPIの不完全さ、イレギュラーなツイートを除外する基準、その他さまざまな原因により、集計ミスは発生し得ます。ですが自分は、このサイト以外にツイ集計を行っているサイトを複数知っており、それらで微妙な違いがありつつも大枠は共通していること、それが自分の肌感覚とさほど違わないことから、データ自体にはある程度の信用を置いています。
ここから先は、ツイ集計の数字自体は大枠で正しいことを前提とし、そのうえで、それとVAの正式結果・順位に、どういう方向でどれだけのズレがありうるかを推測します。
ツイ集計と結果のズレ・過去の事例
次に気になるのは、「ツイ集計の順位と正式結果には、どれだけ関連があるのか?」でしょう。過去のシンデレラガール総選挙の正式結果とそのツイ集計を照らし合わせることで、その疑問に対するヒントが得られると思います。
第8回シンデレラガール総選挙 ツイ集計: デレマス総選挙bot
第8回シンデレラガール総選挙 正式結果: 第8回シンデレラガール総選挙 -アイマス デレステ攻略まとめwiki【アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ】 - Gamerch
比較すると、
このように、ツイ集計で3倍程度の差であれば正式結果での逆転がありうるようです。ですが、ツイ集計と正式結果でプラスマイナス10位程度の範囲におさまっているアイドルが多いようなので、大まかな参考にはなるといったところでしょうか。
なお、ツイ集計では、ツイート数ベースの順位(一つのツイッターアカウントが同一アイドルに対し投票ツイートをn回行ったらnとカウントする)と、アカウント数ベースの順位(一つのアカウントが同一アイドルに対し何度投票ツイートを行っても1とカウントする)がありますが、過去の事例ではアカウント数ベースのほうが結果との相関関係が強かったように感じます。なので、この記事では今後、アカウント数の数字ならびに順位を基に分析を行います。
ツイ集計と結果の関係について考察
まず、ツイ集計のアカウント数と正式結果にある程度の相関関係が認められる理由は何でしょう。
あるアイドルに投票ツイートする人数が多ければ、ツイートせずに黙って投票する人数も多いはずです。その中には、そのアイドルに1票入れる人もいれば、1000票入れる人もいる。けれど、特定のアイドルに大量投票する人は、どのアイドルにもついているでしょう、特に上位のアイドルに対しては。その結果として相関がみられるのだと思います。非常にいい加減な考えですが。
ツイ集計を参考に投票する層がツイ集計上位のアイドルに入れることで正式結果がそれに従うという因果関係があるかどうかは、個人的に疑問です。公式の中間発表ならともかく、有志のツイ集計を見ている層が投票者全体の多数を占めたり、順位に大きな影響を与える可能性は、小さいかなと感じます。
では逆に、ツイ集計のアカウント数と、正式結果との間にズレを起こす要因は何でしょうか。
- 投票してもツイートしない人が何割いるか。投票を表明する人の割合にアイドルごとの違いがある。
- そのアイドルに対し、一人あたり何票投票するか。平均投票数にアイドルごとの違いがある。
大まかに言うとこの二つでしょう。島村卯月さんを例にすると、
x = 島村卯月の得票数
a = 島村卯月に投票した人数
b = 島村卯月に投票した人の、平均投票数
x = a × b
c = 「島村卯月に投票したよ!」ツイートをした人数
p = 島村卯月に投票した人のうち、ツイートをした人の割合
c = a × p
x = b × c ÷ p
ツイ集計のアカウント数cと、正式結果xは比例しうるが、bとpが他のアイドルと大きく異なるアイドルはその限りでない。bが上記2、pが上記1の要素を示す。ということです。
逆に言うと、
- 投票してもツイートしないユーザーが多くついているアイドルは、ツイ集計より正式結果が上に出る可能性が高い。
- 一人あたりの投票数が多いアイドルは、ツイ集計より正式結果が上に出る可能性が高い。
そこで、この二つの要素を満たすアイドルを正しく予想できれば、ツイ集計とのズレを補正し、より正しく最終結果を予測できるのではないか、ということになります。
なのですが。
今回のVAで、上記1を満たすアイドルを予測することは、ぼくにはできませんでした。いきなりで申し訳ありませんが、上記1の補正を試みるのは諦めます。
ここから先は、上記2、すなわちbの、アイドルごとの偏りについて考えてみます。bの値が他より大きいアイドルは、ツイ集計より正式結果が上に出るはずです。
b = 島村卯月に投票した人の、平均投票数
d = 島村卯月に投票した人が獲得した投票券の平均枚数
q = 島村卯月に投票した人が、獲得した投票券の何割を卯月への投票に回したかの割合
b = d × q
こういう式を考えます。ちょっと遠回りに見えるかもしれませんが、ツイ集計の分析に使います。
dは、ライトユーザー、ヘビーユーザーの違いに相当するでしょう。
毎日ログインだけするユーザーが獲得する投票券は、30枚程度。
モバマスのイベント報酬とデレステのデイリーミッションを完遂するユーザーが獲得する投票券は、2000枚程度。
モバマス、デレステの両方で総選挙応援セットを最大限まで買うユーザーが獲得する投票券は、60000枚程度となります。
特に今回のVAと総選挙では前回までの総選挙と比べて課金票の割合が大きく、無課金ユーザと廃課金ユーザで得られる票数が大きく異なります。そのため、アイドルごとにdの値が大きく異なり、その結果ツイ集計と正式結果が大きくズレる可能性があります。
上記ツイ集計サイトで、
今回の総選挙は課金票が大幅に増えていることもあり、このデータが実際の選挙結果と一致する確率は低いと考えられます。 そのことを十分留意の上閲覧ください。
と注意書きがあるのは、VAでは従来以上にdの値がアイドルごとに大きく変わりうるという点を注意喚起しているのだと思います。
qは、そのアイドルだけに投票したか、他のアイドルにも支援票を入れたか、むしろ他のアイドルが本命なのか、ということです。
qが大きいほどbが大きくなり、ツイ集計より正式結果の順位が上がると期待できるわけですが、 qの大きいアイドルは他アイドル担当プロデューサーからの支援票を得られていないと解釈すると、qが大きいのが喜ばしいとは限りません。
ツイ集計の分析
前置きが長くなりました。ここからが本番、ツイ集計のデータを使った分析もどきを試みます。
上記ツイ集計サイトで、アカウント数上位30人のアイドルに対し、より詳しいデータを調べました。*2
プロフィールに書かれたアイドル名について
Cの列「VAアカウント数」が、島村卯月さんの例でいうcに相当し、今回の分析の基礎となるVAツイ集計のアイドル別投票ツイートアカウント数です。例えば、5761個のツイッターアカウントから、「ボイスアイドルオーディション開催中!辻野あかりに投票したよ!」ツイートが行われたという記録があるわけです。
Iの列「プロフに名前(VA中)」は、そのうち、ツイッタープロフィールに該当アイドル名の記載があったアカウントの数です。例えば、辻野あかりさんに対し投票ツイートをした5761のアカウントうち、プロフィール欄に「辻野」または「あかり」の記載があるのは190人、ということです。
ただし、松本沙理奈さんに関しては、データ元サイトの都合上、64以下であるということしか分かりませんでした。彼女については、60という数字を仮に置いておきます。
Kの列「I/C」は、「プロフに名前(VA中)」の値を「VAアカウント数」で割った結果です。190/5761=0.033で、「辻野あかりに投票したよ!」ツイートを行ったうち3.3%が、ツイッタープロフィールに「辻野」「あかり」と記載しているわけです。
Yの列「プロフ記載アイドル延べ人数」は、投票対象のアイドル以外も含め、ツイッタープロフィールにあったデレマスアイドル名をカウントし、それを足した延べ人数です。例えば、辻野あかりさんに投票ツイートをした5761のアカウントのうち、プロフィール欄に「辻野」または「あかり」の記載があるのは190人、「神谷」または「奈緒」の記載があるのは145人、「島村」または「卯月」の記載があるのは138人。このカウントをデレマスアイドル190名に対してすべて行い、足し算すると、延べ6042人のアイドル名が記載されていた、ということです。
Zの列「Y/C」は、「プロフ記載アイドル延べ人数」の値を「VAアカウント数」で割った結果です。辻野あかりさんに投票ツイートした5761人は、一人あたり1.05人のアイドル名(あかりさん以外も含む)をプロフィール欄に記載しているわけです。
K列、Z列をアイドルごとにプロットすると、次の散布図1のようになります。
自分はこれを、以下のように解釈します。
- 左下: 担当アイドルがいないか、プロフィールに書くほどデレマスに熱心でない、ライトユーザーからの支持を多く受けているアイドル。もしくは、投票対象以外の一人のアイドルを担当するプロデューサーから支持されるアイドル。
- 左上: 投票対象とは別のアイドルを担当しているプロデューサーからの支持を多く受けているアイドル。担当外からの支援票を多くもらっているアイドル。
- 右下: 投票対象のアイドルだけを担当している単推しのプロデューサーからの支持を多く受けているアイドル。
- 右上: 投票対象のアイドルを含む複数のアイドルを担当しているプロデューサーからの支持を多く受けているアイドル。
辻野あかりさん、砂塚あきらさんの両名は、プロフィールに当該アイドルの名前を書いていない、かつ、他のアイドルの名前もあまり書いていないユーザーから投票ツイートをもらっている傾向があります。ライトユーザーの支持を受けていると言えるかもしれません。二人とも1年半前に登場した新アイドル*3であり、新しめのユーザーから多く支持されるのでしょうか。特にあかりさんはニコニコ動画で流行した「たべるんごのうた」ブームで入ってきたライトユーザーが多いかもしれません。ただ、ユーザーあたり平均1人のアイドル名はプロフィールに記載しているわけですから、必ずしもデレマスに無関心な層が中心とは言えないでしょう。上記dの値が小さいとは断言できないと思います。
松本沙理奈さんは、彼女へ投票した人に占める、プロフィールに「松本」「沙理奈」とある人の割合が2.0%と、他アイドルより明らかに低いです。彼女の場合は投票層がかなり異色で、荒木比奈、上条春菜、佐々木千枝、川島瑞樹の名前がプロフィールにある数は延べ434になるのに対し、松本沙理奈の名前は64より少ないです。沙理奈Pよりも、ブルーナポレオンPの票が主力と言っても過言ではないかもしれません。
望月聖さんは、プロフィールに「望月」と書かれているプロデューサーからの投票が多く、他のアイドルの名前はプロフィールにたくさん書かれてはいないようです。望月聖さん単推しPが主力であり、上記qの値が大きい可能性はありますが、逆に言えば外部からの支援をあまりもらえていないと言えるかもしれません。
工藤忍さんは、プロフィールに「工藤」「忍」と書き、かつ他のアイドルの名前も書かれたプロデューサーからの投票が比較的多いです。フリルドスクエアを連想する方が多いでしょうし、実際、喜多見柚さんPからの支援も見られ、桃井あずきさん、綾瀬穂乃香さんPからも図3で後述するように一部支援を得ているようです。それ以外に、北条加蓮さんなど、既に声のあるアイドル複数を担当しているPからの票ももらっている感じでしょうか。
一人あたりツイート数について
上記表2について、C、I、Kの列は表1と同じです。
Lの列「VAツイート数」は、一つのアカウントからそのアイドルに複数回投票ツイート場合にその回数ぶんカウントした、延べツイート数です。
Mの列「L/C」は、VAツイート数をVAアカウント数で割った数で、ユーザー一人あたり平均何回そのアイドルへ投票ツイートしているかを示します。
表2のK列・M列をアイドルごとにプロットすると、次の散布図2のようになります。
今井加奈さんは、ユーザーあたりの彼女への投票ツイート回数が他のアイドルより多いです。投票ツイート回数と票数は必ずしも比例しませんが、それだけ選挙活動、アピールに熱心であるようです。
イヴ・サンタクロースさんは、その数値が低いです。彼女の陣営はイヴP投票券プレゼント企画というものをやっており、その返礼として一度だけイヴさんに投票した人たち(自分もその一人です)がこの数字を押し下げたのかもしれません。ただ、そのわりには図1で右下寄り、イヴ単推しPに傾いているのが解せません。
松本沙理奈さんが左下ではなく左上にいることは、沙理奈P以外を含めた、彼女を支持する陣営の、その活動が熱心であることを示していると思います。異色の位置と言えるでしょう。
辻野あかりさん、砂塚あきらさんの両名は左下寄りに位置しますが、支持層の熱心さが少ないというよりも、ライト層を含め幅広く支持を集めているという印象を受けます。
総選挙へのツイート・他アイドルへの投票ツイート有無について
別のデータを見ます。上記表3について、Cの列は表1と同じです。
Fの列「総選挙と両方アカウント数」とは、VAと総選挙の両方で、当該アイドルに投票を行ったアカウントの数です。例えば、VAで「辻野あかりに投票したよ!」とツイートし、なおかつ総選挙でも「辻野あかりに投票したよ!」ツイートを行ったアカウントは、411個ということです。
Hの列「F/C」は、「総選挙と両方アカウント数」を「VAアカウント数」で割った値で、VAで当該アイドルに投票ツイートしたうち、総選挙でも投票ツイートしたアカウントの割合を表します。VAで「辻野あかりに投票したよ!」ツイートを行ったうちの7.1%が、総選挙でも「辻野あかりに投票したよ!」ツイートをしているわけです。
Oの列「Only Account」は、VAで当該アイドルに投票ツイートを行い、かつ、VAで別のアイドルに投票ツイートを行わなかったアカウントの数です。例えば、VAで「辻野あかりに投票したよ!」とツイートをし、「浅利七海に投票したよ!」など他アイドルへの投票ツイートを行わなかったアカウントは2172あるということです。
Pの列「O/C」は、「Only Account」を「VAアカウント数」で割った結果です。例えば、辻野あかりに投票ツイートしたアカウントのうち37.7%は、VAで他アイドルには投票ツイートをしなかったわけです。
H列、P列をアイドルごとにプロットすると、次の図3のようになります。
図3の縦軸で上の位置のアイドルは、VAでは他のアイドルに投票していない、つまり当該アイドル全ツッパの割合が大きい、すなわち上記qの値が大きいことが期待できます。
先程の数式を再び記しますが、
x = 島村卯月の得票数
a = 島村卯月に投票した人数
b = 島村卯月に投票した人の、平均投票数
x = a × b
c = 「島村卯月に投票したよ!」ツイートをした人数
p = 島村卯月に投票した人のうち、ツイートをした人の割合
c = a × p
x = b × c ÷ p
d = 島村卯月に投票した人が獲得した投票券の平均枚数
q = 島村卯月に投票した人が、獲得した投票券の何割を卯月への投票に回したかの割合
b = d × q
x = d × q × c ÷ p
でした。
ここで、Only Accountは、「島村卯月に投票したよ!」ツイートをし、かつ、島村卯月以外に投票しなかったという期待が持てるので、
o = Only Accountの数
とおくと、c × q は oよりやや大きい数字ではないかと推測できます。*4したがって、
x ≧ o × d ÷ p
となり、Only Accountの数と、d、つまり一人ひとりのプレイの熱心さや課金度合いで決まる値とで、ライバルアイドルを上回れば、得票数 xでも上回ることが期待できる気がします(pは無視します)。
図3について、個別のアイドルを分析します。
イヴ・サンタクロースさんは図3で最も上に位置しますが、図1でも単推しPが多いと出ており、ツイ集計の18位を上回る期待が持てるかもしれません。Only Accountの数字だけでいえば14位です。
八神マキノさんは図3で上方に位置し、最終結果でより上に行ける可能性を持っていると思います。VAアカウント数で5位でそうなるということは、ボイス獲得の可能性もあるということでしょう(Only Accountの数だけでは、あかり・七海・あきらの三者に及ばないので、上記qだけでなくdの値でも上回らなければ難しそうですが)。
桃井あずきさん、綾瀬穂乃香さん、岡崎泰葉さん、松尾千鶴さんの4名は、図3で下のほうに位置します。VAで当該アイドルにしか投票しなかったプロデューサーが相対的に少ないわけです。
桃井あずきさんに投票ツイートした1375アカウントのうち、539アカウント(39.2%)が工藤忍さんにも投票ツイートしており、485アカウント(35.2%)が綾瀬穂乃香さんにも投票ツイートしています。あずきさんだけに投票ツイートしたのは310アカウント(22.5%)です。フリルドスクエアの結束が美しい、という賞賛もできますが、問題はそこではありません。あずきさんに主に投票し、他2人に少しの応援投票をしたアカウントと同程度かそれ以上に、忍さん(もしくは穂乃香さん)に主に投票し、あずきさんに少しの応援投票をしたアカウントが多いことが危惧されます。上記qの値が小さいことが懸念され、正式発表の順位はツイ集計のそれ(29位)より低くなるかもしれません。
なお、ぼくはあずきさん陣営の動きがまずかったと言っているわけではありません。仮に、今回のあずきさんの正規順位が32位ぐらいだったとしましょう。もし、フリルドスクエアPが相互に投票ツイートをしなかったら、あずきさんの「ツイ集計での」順位は35位ぐらい、正式発表の順位は35位ぐらいになったかもしれません。それに比べれば、現実の順位はより良くなっているわけです。上記で「懸念」「危惧」と書いたのは、正式順位がツイ集計の順位より低くなりそうだということを指して言っているのであり、逆に言えばあずきさん陣営は相互投票により、ツイ集計で順位を高く見せる大作戦に成功しているとも言えると思います。
岡崎泰葉さんに投票した1759アカウントのうち松尾千鶴さんにも投票しているのは541アカウント(30.7%)にのぼり、こちらもGIRLS BE NEXT STEPの二人での票割れが発生しているかもしれません。
辻野あかりさん、砂塚あきらさんは、縦軸では中央やや上に位置します。あかりさんに投票ツイートした5761アカウントのうちあきらさんにも投票ツイートしたのは1735アカウント(30.1%)と、二人の間で直接の票割れはフリルドスクエアやGIRLS BE NEXT STEP勢に似た数字を出していますが、あかりさん・あきらさん相互以外に対する票の流出が比較的少ないようです。図1、図2の分析でライトユーザー主体と述べましたが、投票方針を複雑にせず、えいやっと決めて全ツッパするライトユーザーが多いかもしれません。
横軸は、少々解釈が複雑です。
池袋晶葉さんは右に位置しますが、つまり、VAで投票したのみならず、シンデレラガール総選挙でも晶葉さんに投票した層の割合が大きいことになります。熱心な晶葉Pの割合が大きいとの解釈は可能で、上記qの値が大きいかもしれません。しかし、人数が多いはずの声ありアイドル担当Pの支援をあまり受けられていないとも取れるので、必ずしも喜ばしくない気もします。図1でも晶葉さんは右下寄りに位置しており、晶葉単推しPが主体という解釈になります。
砂塚あきらさんは左に位置しており、VAアカウント数では3位(1位の83%)なのに比べ、総選挙の投票ツイートをしたアカウント数では5位(1位の56%)です。声ありアイドル担当Pから投票を得られているという解釈のほかに、積極的に総選挙票を他アイドルとの票交換に回して、VA票の上積みを図っているという可能性も考えられます。
工藤忍さんに関しては、図1で解説したように、柚さん、加蓮さんなどの声ありアイドル担当Pから支援を受けていながら、なおかつ図3で右に位置しますので、総選挙とVAの両取りを狙っている色をかなり濃く感じます。集団的にそのような動きがあったのかどうか、当事者に聞きたいところですね。
古賀小春さんも左に位置し、投票者のプロフィールを見ると、橘ありすさん、櫻井桃華さん、佐城雪美さんなど、声あり年少アイドル担当Pからの支援があるようです。
図3で右に位置するアイドルは総選挙もVAも頑張る。左に位置するアイドルはVAに注力するという傾向だと思いますが、どちらがより良い結果を得るかは、自分には分かりません。正式結果が出たらそれと照らし合わせたいと思います。
最終結果の予想
わかりません!
さんざん長文を読ませておいて結局それかよ、と言われそうですが、アイドル間のpの値のばらつきを無視していますし、qやdについても、このアイドルは他のアイドルより上かもしれないといった定性的な話ばかりで、上とは何倍なのかが全く推定できていません。課金票が1票約10円と、第8回総選挙に比べて30倍ほどの効率で買えることの定量的な影響も評価できません。なので、結論を出せないのは仕方ないです。
でも、それで終わってはあまりにも寂しいので、上記のグラフを参考に、VAのアカウント数上位30位までについての最終結果を、自分なりの感覚でえいやっと予想します。
数字はツイ集計の順位です(表1のC列)。矢印が最終結果の個人的予想です。
あくまで直感であり、個別のアイドルに対し、このデータでなぜこの印がついているんだ、というツッコミにはお答えしません。
大まかに言うなら、oの値(=Only Account)が多いアイドルはツイ集計より有利に見る傾向があります。また、図1・図2・図3で中央近くにつけているアイドルは、大幅な順位変動の可能性が低いかもしれません。
↑↑ : 数字より上の順位になりそうに思う。 (該当アイドルなし)
↑ : 数字に近いか、少し上の順位に行くかもしれない。
ー : 数字に近い順位で落ち着くような気がする。
↑↓ : 予測不能。大幅アップも大幅ダウンもあり得る。
↓ : 数字に近いか、少し下の順位に行くかもしれない。
↓↓ : 数字より下の順位になりそうに思う。
- 辻野あかり ↓
- 浅利七海 ―
- 砂塚あきら ↓
- 桐生つかさ ↓
- 八神マキノ ↑
- 今井加奈 ↑
- 松本沙理奈 ↓
- ライラ ―
- 西園寺琴歌 ―
- 高峯のあ ―
- 三好紗南 ―
- 財前時子 ↑
- 工藤忍 ↑↓
- 大石泉 ―
- 望月聖 ↑
- 藤居朋 ↓
- 黒川千秋 ―
- イヴ・サンタクロース ↑
- 池袋晶葉 ↓
- 岡崎泰葉 ↓↓
- 長富蓮実 ―
- 成宮由愛 ↓
- 水木聖來 ―
- 綾瀬穂乃香 ↓↓
- 横山千佳 ―
- 和久井留美 ↓
- 古賀小春 ↓
- 松尾千鶴 ↓↓
- 桃井あずき ↓↓
- 原田美世 ―
ボイスを獲得する上位3名に名乗りを上げるのは、浅利七海さんが最も濃厚、辻野あかりさんもある程度有力と感じていて、残る1枠を、砂塚あきらさん、八神マキノさん、今井加奈さんで争い、工藤忍さんも波乱(ツイ集計と比べて)を起こして入る可能性ありと予感しています。もし外したら、盛大に笑ってやってください。
最終結果が出たらこのブログで答え合わせをするかもしれませんが、そもそも発表は30位までではなく、もっと上の順位しか出ない可能性も高いと思っています。
20位台に↓や↓↓のアイドルが多く、全体の整合性がとれない気もします。彼女たちは、ツイ集計で20位以上のアイドルと同列の基準でデータを比較してしまった結果、弱気の予想になったのかもしれません。
まとめ
このような、とりとめもない長文に、最後までおつきあいいただき、ありがとうございます。あなたはどのようにお感じになったでしょうか。
自分としては、正式結果の予測だけが目的ではなく、ツイ集計をひもといて個人的に面白いと思った推測を書きたいと思って記事を作りました。これだけの材料があるのですから、あれやこれやと好き勝手に言えることもあるのではないでしょうか。正式発表前の今しか言えないこともあるかもしれません(もしそれがあるのならたぶん、間違った推測ということなのでしょうが)。
ツイ集計の元サイトや他のツイ集計サイトでは、ぼくが利用しなかったデータがまだまだいっぱい眠っています。また、以前の総選挙等の結果、アイドル陣営ごとの独自の動向など、判断材料はまだまだあるでしょう。例えば、黒川千秋さんの陣営は、96川1000秋プロジェクトと称して、彼女への投票の一部を可視化する試みを行っています。それら、さまざまな情報を利用して、あなたなりの解釈、推測をお聞かせいただければ、非常に嬉しく思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
*1:「出口調査」と呼ぶ人もいるようですが、ぼくはこの用語を使わず、ツイ集計と呼びます。ツイ集計は、政治の選挙における出口調査とは異なる性質を多く持つからです。例えば、一人あたり投票できる票数や回答する回数に違いがあるとか。出口調査では調査員のいる投票所で投票した人しか回答できませんが、ツイ集計はツイートしたいと思っており、ツイッターアカウントを持っていれば原則誰でもツイートできるとか。「ツイ集計」という呼び方は、第6回シンデレラガール総選挙でツイ集計を行い公表した方に倣っています。
*2:上位30人に限ったのは、全アイドルを対象にするとデータ収集・入力が大変なため、表やグラフが見づらくなるため、個別のアイドルに対するデータの量が少なくなり信頼性が落ちることを危惧したため、などの理由です。
*3:登場から1年半経過した彼女たちを新アイドルと呼ぶのは抵抗がありますが。
*4:Only Accountでなくても、島村卯月へまとまった投票をした人はそれなりにいると推定して、やや大きいと考えました。